レイヤー
NiVE3 におけるレイヤーは、AVIUtl や YMM4、Adobe Premiere のように、素材を置くラインではなく、フッテージ、あるいはコンポジション自体に影響を与える要素を表します。
レイヤーは、次のようなものがあります。
- 画像や、動画、音声、コンポジション、NiVE3 内で作成した平面といったフッテージ
- テキストやシェイプ、プロシージャルなどのフッテージを持たないもの
- カメラやライト、ヌルオブジェクトといった、直接描画されないものの、他のレイヤーに影響を与える特殊なもの
これらを全て理解しなくても NiVE3 を扱うことが出来ますが、どれも重要な機能なため、理解しておくことをおすすめします。
親子
通常、各レイヤーはそれぞれ独立したトランスフォームを持っており、あるレイヤーを移動したり、スケールを変更したり、回転させても、他のレイヤーが連動することはありません。
レイヤーの親を設定することで、親に設定されたレイヤー(親レイヤー)のトランスフォームが変更されると、連動してそのレイヤーを親に持つレイヤー(子レイヤー)も連動して動くようになります。
連動するプロパティは、トランスフォームの位置、回転、スケールの 3 つ(3D レイヤーの場合は方向を加えて 4 つ)で、アンカーポイントや不透明度、3D レイヤーのマテリアルは連動しません。
親レイヤーの階層には制限はありませんが、親レイヤーの親に子レイヤーやその子孫のレイヤーを設定することは出来ません。また、親に設定できるレイヤーは、コンポジション内に存在するレイヤーのみで、ネスト先のコンポジションやネスト元のコンポジションのレイヤーを参照することは出来ません。
コンポジションをまたいでレイヤーを連動させたい場合は、エクスプレッションを使用してください。
通常、親レイヤーを変更したとき、時間インジケーターの指す時間での姿勢を維持するようにトランスフォームが変更されます。
Shift キーを押しながら親レイヤーを変更することで、トランスフォームを親レイヤー基準でリセットしたり、Ctrl キートランスフォームを変更せず、親レイヤーのみを変更することも可能です。
スケールが非均一なレイヤーを親にした場合
スケールの値を各軸で異なる値にしているレイヤーを親に設定する場合、子レイヤーの位置が大きくずれることがあります。
これは数学的な問題で、スケールの値が全て同じでない場合、正確に位置やスケール、回転を取り出すことが出来ないためです。
ブレンドモード
レイヤーを重ねる際、レイヤー同士の色をどう合成するかを指定できます。
3D レイヤーでレイヤー同士が交差する場合は、それぞれ前後関係を考慮してブレンドモードが適用されます。
調整レイヤー
レイヤーに対してエフェクトを掛ける際、通常はそのレイヤー単体にのみエフェクトが適用され、他のレイヤーには影響しません。
調整レイヤーは、このレイヤーより下にあるレイヤーが描画された結果に対し、エフェクトを掛けることができるレイヤーです。
エフェクトがかかる範囲は、調整レイヤーにしているレイヤーがレンダリングされたとき、表示される領域になります。
調整レイヤーを 3D レイヤーの間に挟む際、前後関係がリセットされるため注意してください。
レイヤーの展開
コンポジションをレイヤーとして追加した際、通常はそのコンポジションがレンダリングされた結果が画像として使用され、3D の情報や、レンダリングの結果、コンポジションサイズよりもはみ出た部分の情報は全て失われます。
レイヤーの展開を有効にすることで、コンポジション内に含まれるレイヤーを全てネスト先のコンポジションのレイヤーとしてレンダリングすることが出来るようになります。
これにより、コンポジションサイズよりもはみ出た部分や、3D レイヤー、ブレンドモードなどを考慮したレンダリングが可能になります。
ただし、コンポジションにエフェクトが適用されている場合や、トラックマットが指定されている場合は、レイヤーの展開が無効になります。
トラックマット
トラックマットは、レイヤーに対し、他のレイヤーの輝度や、α 値そのものを適用する機能です。
適用される際は、トラックマットに指定したレイヤーが単体でレンダリングされた結果を元に計算されます。
他のレイヤーのシルエットを作成したり、擬似的に描画範囲を限定したりする等の際に使用できます。
マスク
レイヤーに対し、指定した長方形、楕円、または任意のパスでマスクを掛けることが出来ます。
マスクは複数作成でき、マスク同士が重なった部分の合成モードを指定できます。
マスクとトラックマットの違い
マスクとトラックマットは、どちらもレイヤーの α 値を変更する機能ですが、α 値のソースが図形か他のレイヤーか以外にも、適用タイミングが異なります。
マスクはエフェクト適用前にレイヤーに処理されますが、トラックマットはエフェクト適用後に処理されます。
特に、ブラーなどの α 値の影響を受けるエフェクトで大きく変化するため、使用したいシチュエーションに応じて使い分けてください。
ヌルオブジェクト
ヌルオブジェクトは、NiVE3 の中でも特殊なレイヤーで、何も描画されず、他のレイヤーの描画にも影響しません。
ヌルオブジェクトを使用するタイミングは、トランスフォームの親として、なにも表示されないレイヤーを使用したい時や、エクスプレッションのパラメータ置き場として使用したい時です。
複数のレイヤーを親子でまとめて制御する際、構造にもよりますが、既存のレイヤーを最上位の親として使用するよりも、ヌルオブジェクトのような、描画されず、他に影響を及ぼさないレイヤーを親として使用する方が制御しやすいことが多いです。
また、平面や空のシェイプ、あるいはテキストを非表示にして使用するよりも、余計な属性が無いため、構造をシンプルに保つことが出来ます。
ヌルオブジェクトには、エクスプレッション制御のエフェクトのみ追加可能です。エクスプレッションのパラメータ置き場として使用する際は、必要に応じてエクスプレッション制御エフェクトを追加して使用してください。